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第1話 疋田さんの夢現

Auteur: satomi
last update Date de publication: 2025-10-01 07:31:16

――マジでかーーーーーー?!いきなり過ぎない?そりゃ確かに今車椅子使ってるけどさぁ

「待ってよ。私が使うんでしょ?私の意見も取り入れてよ」

「そうよね、それが真摯な姿勢ってものだと私は経営者としても考えるわ」

――母、強し。でも、ダッサイ車椅子使うのはカンベン

「病院としては、このタイプを…」

「はぁ?ダサすぎです」

「そうねぇ、娘が会社のパーティーに呼ばれることもあるからそれを考えるとねぇ。フレームはシックに黒、座面は低反発のいいやつ、タイヤは画鋲が刺さらないようなの。気入れる手間がないといいんだけど…」

「泥除けも欲しいな。服が汚れると、洗濯するの私だし」

「とりあえずは今の意向で作ってくれるかしら?」

「はい、伝えさせていただきます」

――お金かかりそうだなぁ

「これからは障害者手帳が支給されるから、基本的に車いすとかは1割負担かな?」

――そうなんだ。公共料金も安くなるのか

 思わぬお見舞い客が来た。私の部屋は個室のいわゆるVIP部屋だから部屋でもてなし。

「おい、この部屋すげーな。疋田さんてセレブってやつなのか?」

「私のお金じゃないよ。母が会社を経営してるの。でも、母子家庭だから、家事一般は私が小さいころからやった来たのよ」

――女子力アピール出来た?やって来たのは佐伯君。部屋に圧倒されすぎて、私の話半分かなぁ?

「これ、見舞いの花。この部屋には合わないかな?」

「そんなことないよ。来てくれただけですごく嬉しいもの」

「授業結構進んだよ。大丈夫?同じクラス委員だし、ノート貸すよ」

「ありがとう、何から何まで。それじゃ、大事な話するね。実はこれからは車椅子生活しなきゃならなくなっちゃった。家の中はどうかな?なるべく外出時だけ車椅子ってのがいいんだけど。だから、マネージャーとか部活とか無理かな。色々考えてくれたのになんかごめんね」

「謝らなくていいよ。できる限り俺は疋田さんを補佐する。そういうことか、なんか今日学校が騒がしかったんだ。疋田さんのお母さんが学校に来てたんだな。俺が推測するに、疋田さんが通いやすいようにバリアフリー化をなんとかしろって校長と理事長にせまってたんじゃないかな?」

――あり得る…母の行動力だ。やりそうなことだ

「私立高校だからお金で動きそうだもんね。そこんとこは公立よりはいいかも。そうそう、私にノートは有難いけど高体連近いんじゃない?」

「今年は俺はベンチっぽいから大丈夫だ」

――部活の中でもヒエラルキーみたいなのがあるみたいだ

「佐伯君はサッカー部の期待の星☆だと思ってた」

「今年が最後になる先輩にはかなわないよ」

――あぁ、そういうことか。

「今日は来てくれてありがとう、お花まで」

「退院楽しみに待ってるよ」

――うーん、口説かれつつあるのか?他の女子の反感買うから怖いなぁ

 夏休みも終わり、登校。母の依頼(?)で学校のバリアフリー化の工事を夏休み中にやったんだろう。授業のノートを佐伯君に見せてもらっていたので、授業内容は問題ない。

車いすで登校かぁ、スカート丈は短すぎるとパンツ丸見え。足も油断して開けない。スカート丈はどっちかというと長い方がいいな。昔の不良みたい(笑)。鏡で見ると上腕二頭筋やら肩の辺りやらの筋肉がやたらと発達してしまっている。私の本意ではないが車いすを利用しているとつくのだろう。ラストのリハビリの時に計測した時もやたらと握力があったなぁ。これも車いすユーザーはみんな通る道みたいなものなのだろうか?

制服と合わせて買ったバッグ、ショルダーバッグとかじゃないと盗難にあいそうだ。ただ膝の上に置いてるだけだからなぁ。せっかく買ったのになぁ。

学校内、流石我母。私には至れり尽くせりだな。当初はなかったエレベーターと車いす用トイレが設置されている。どちらもいたずら防止で学生証のカードで認証みたいになってるようだ。いきなり女子の反感買ってたからなぁ。車いす用トイレとかいたずらされそうだもんなぁ。イジメの隠れ場所になったり、隠れてコソコソには丁度いいよね。

それにしても、途中の公共交通恥ずかしかった。普通でもある程度見られることはあったけど車いすになったら車両全体からガン見されてるみたいな…。慣れれば都なのかな?恥ずかしいなぁ。

「疋田さん、学校に来れるようになったんだね」

「うん。お見舞いと…あとこのノートありがとう。おかげで1学期の授業内容は理解したわ。…多分」

「そんなこと言って、俺より点数高かったりするんだろ?すぐに追い越されそうだな。ははは」

――笑ってる場合じゃないよ。周りの女子の視線痛いって

 それじゃあ、夏休みにどれだけ勉強したかわかるように小テストを行う。が、大体各教科で行われた。

――いやぁ、佐伯君のノートかなり役にたった。あとは問題集解いたし

 佐伯君の予想通り私が佐伯君を上回る高得点を取った

「あの女どうなってんの?ヒキコモリで勉強してたの?」等、聞こえてきた。

――努力です。正直入院生活暇だったから勉強してたし。むしろ、エンターテインメント的なものが存在しないから、勉強してた。引きこもってたわけじゃないけど、ヒキコモリに近い状態だったなあ。

「さすが疋田さんだねー」女子が言ってくる

「入院中、特にすることなかったから」

 と返しても、「そのままずっと入院してればいいのに」という声が遠くから聞こえる

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  • 今日から車いすなんですか?   第63話 天国と地獄を感じた亨

    「織田君のお父さんとお母さんのナレソメってどんな感じですか?」 二人は顔を見合わせた。「うーん、お見合いなんだけどねー」「私の旧姓疋田って言うんだけど、疋田家はコンピューター関係が得意なのよ。織田家は法律関係でしょ?完全な政略結婚ってやつよ。だからお見合い」「その割にはお二人ラブラブですね?」「「まぁね~♪」」 ラブラブを自慢するなよ!恥ずかしいな。もう。「お母さんの方がお若い気がするのは気のせいですか?」「若いとか言われるのは嬉しいわ。そうよ~。亨より…あれ?何才違いだっけ?忘れちゃった」「そんな感じだよ。他に聞きたいことある?」「うーん、お父さんの方には法律関係で相談に乗ってもらいたいなぁ」「ややこしいから、私はヒカル、こっちは亨って呼んでほしいな。私達も渡部さんじゃなくて、『キヌちゃん』って呼んでいいかな?」「はい、喜んで‼‼」 どこの居酒屋だよ? それから渡部は度々うちに来るようになった。 本当に父さんに法律関係の相談をしてる…。家じゃ仕事の話をしなかったから新鮮だ。母さんが父さんのことを『初めて見た珍獣』みたいな感じで見ている。 父さんも母さんも姉さんが中東に行ってしまってやはり寂しかったのかなぁ? 女の子が家にいる感じがいいみたいに見える。母さんも隙あらば渡部を連れ出して一緒にショッピングに行こうとしている。気のせいか?「はぁ~あ、そっかぁそういうアプローチで見れば答えが違ったんですね!やっぱり勉強になります。亨さんは賢いですね~」「ヒカル!俺、褒められた!」「よしよし、褒められて良かったですね」 愛犬とその主人?何で父さんが褒められてわざわざ母さんに報告を…。あ、母さんに頭撫でてもらいたかったんだな?はぁ、くだらない。今まで子供達がヨシヨシと頭撫でられているのを見て地味に「いいなぁ」って思ってたという事か。はぁ、父さんの威厳…。「ヒカルさ~ん、午後からはショッピングの約束でしたよね!出かけましょう?最近できたショッピングモールとか気になってたんですよね。なかなか行く機会がなくって」 渡部のやつ地味に俺よりこの家の子供っぽくないか?まぁ、父さんと母さんが元気になって良かったよ。 その日の夜、俺には姉さんから。母さんには兄さんから重要な話があると電話があった。時差を考えると結構なものだと思うけど。 姉さん

  • 今日から車いすなんですか?   第62話 賢の女友達②

     そいつ、渡部キヌから翌日早速連絡が来た。「突然なんだけど、今週末仕事が休みになった。会えるよ。場所はどこ?」「まずはこっちの予定も聞こう。よほど俺の父さんに会いたいみたいだけど?」「当たり前じゃない!数々の事件を担当した名弁護士よ?その息子が実態を知らなかった方が驚きよ!」 家じゃ単なる愛妻家の弁護士だからな。「ああ、コッチの予定も今週末は空いてるらしいから、OKうちにご招待します。場所はまぁ、最寄りの駅まで迎えに行くよ。迷子になってもアレだし」「バカにしないでよ!」「そのつもりはないけど、単なるエスコートみたいな?」「了解。それじゃあ、今週末楽しみにしてるわね!」「ところで、賢。重要な話だ。その渡部キヌって子は美人か?」「えーと、学生時代に俺はなんとも思わなかったけど、やたらと告白されてたなぁ。なんか知らないけど断ってた」「それは、好きな奴がいるからじゃないのか?」「父さんだろ?」「それは‘アコガレの人’だろう?好きな人とは違うよ」「そうねぇ、そういうのもありかも。甘酸っぱいわ!今回私は傍観してるわよ」 母さんの傍観宣言。自らを‘アコガレの人’という父さんの自信はどこから来るのか凄いと思う。 週末、渡部を最寄りの駅に迎えに行って、家に連れてきた。「「待ってた~!」」 大歓迎だな。渡部が法廷とかで見る父さんとのギャップに驚いてる。普段でも法廷みたいにしてたら、それはそれで辛くないか?「賢!よくやった!渡部さんは美人だ!」「恐れ入ります」 玄関先で何を話してるんだ?「まぁ、中に入って。母さんは脚が不自由なんだ。家の中でもたまに車いすかな?」「今日は元気に伝い歩きよ!」 それは元気なのか?「ねえ…壁のアレはテレビ?物凄い大きくない?皆さんの視力は大丈夫なの?」「テレビを見るためのソファとの距離はけっこうあるから大丈夫だよ。リモコンがあって良かったよね」 うちに来る人はみんなテレビの大きさにビビる。解せない。かなり長持ちしていると思う。「そうよね、家もなんか広いもの」「最近さぁ、俺の上の姉さんと兄さんが揃って海外暮らしをすることになっちゃって、家の中が寂しくなったんだよね」「こんなに広い家ならテキメンでしょうね」 特に父さんにダメージが…。「今日は俺が腕によりをかけて料理するからな。存分に食べていくといい

  • 今日から車いすなんですか?   第37話 赤子が家にやってきた

     今日、ついにヒカルが退院し、優と秀と共に3人でこの家に帰ってくる。 もちろん、ベビーベッドの準備も完了。ベビーベッドの側にはおしりふき、替えのオムツ、ゴミ箱を完備。 しばらくは主寝室で親子ともに寝るのだ。 夜泣きなんぞ気にしない。 頑張ったヒカルを労うための料理も用意。 いつでも家に来ていいよ! と俺はかなりの臨戦態勢で待ち焦がれていた。  玄関のチャイムが鳴った。俺の胸は高鳴り、いそいそと共同玄関のカメラを見た。 ……両親s 一気に気が抜けた…。 また、玄関のチャイムが鳴った。今度こそ!とカメラを見た。 コノハちゃん。…とその彼氏君かな?彼氏君初めましてだよな? 

  • 今日から車いすなんですか?   第29話 女子力(?)全開

    もう、とっくに卒業しちゃったんだけど、私、蓮野コノハは、相川卓先輩を追いかけてこの大学に入りました!もちろん父には内緒。あー、私が大学に入りたいって言ったら喜んでたけど、動機が不純です…。私がこの大学に入りたいというのは…ヒカルもそうだけど、亨さんにも伝わってマス。ヒカルは私が相川先輩のこと好きだったのに気づいてなかったから驚いてたけど。亨さんは人物までは突き詰めてなかったから、ちょっと驚いたくらいかな?「コノハ~!相川先輩が好きだったの~?全然わからなかった。いつから?いつから?」とヒカルが私を壁に追い込み(追い込み漁?)困っているのを亨さんが助けてくれた。亨さんはとっくの間に私がサッ

  • 今日から車いすなんですか?   第16話 疋田さんは、コノハさんに甘いです。

    「ヒカルさん」「はい?」「コノハさんに私のこと正直に話したでしょう?婚約者(仮)だって」「コノハは私のただ一人の女友達だから…正直に話してほしいって。勘付かれた」「そしたら、気を使ったのか彼女は帰ったんですね?」「はい…」「はぁ」と深いため息の後、亨にヒカルは押し倒された。「コノハさんの気持ちに応えましょうか?」「何を?」「婚約者(仮)から婚約者になろうとしてるんです」「ここには監視カメラがいっぱい…」「俺がここに来ると言ったら、監視を止めるって君の母上から聞いたよ。さて、どこまでやればいいかな?君が婚約者だと認めてくれるまで続ければいいかな?」――くっそー。母を懐柔

  • 今日から車いすなんですか?   第4話 疋田さん、女友達ができる。

     昼休みになり、佐伯君がサッカー部の部室に招待してくれた。――体育会系の部活の部室って汗臭くて汚いイメージだけどなぁ「俺はサッカー部のキャプテンの3年吉田だ」「俺、3年兵藤」と部員が数十名私を囲んだ。――カツアゲされるようだ…「疋田さんと昼飯を食べようと招待をしました。女子を迎えるにあたって、部室の掃除などもしました」佐伯君、パシリみたい。レギュラーじゃないのかな?「今日はありがとうございます。いきなり車いすになってまさかの弁当が角食の欠片ということで、佐伯君の招待に甘えてしまいました。女子の友達いないし…」「サッカー部は大歓迎する‼」と、サッカー部キャプテンに言われた。

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